takibi connect

takibi connect 編集部より

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takibi connect 編集部より

Takibi Connect 編集部より

文:高橋さやか 写真:斉藤玲子 撮影協力:東洋カメラハウス

ふるさと納税に秘められた挑戦ストーリーを届けるWEBメディアとして2020年にスタートしたtakibi connect。当初、5箇所(恵庭市、南相馬市、稚内市、長万部町、猿払村)だった参加自治体は、2022年には18自治体に。takibi connectという名の通り、熱量をもった人々が焚き火を囲むように集っています。
 
毎年、個性あふれる若い力が加わり「どう盛り上げていこうか?」と主体的に考えられる場に成長している編集部。運営会社である中央コンピューターサービス(以下CCS)の上田さん、伊勢さんと、立ち上げ時期にはCCSの一員として、二年目からはライターとして活躍した浅利さんに、それぞれの視点からtakibi connectについてうかがいました。

写真手前:伊勢みずきさん 写真奥:上田晴香さん
写真手前:伊勢みずきさん 写真奥:上田晴香さん

地域に隠れた魅力を届けるtakibi connnectのおもしろさ

ーー現在はプロジェクトで中心的な役割を担う上田さんですが、チームに加わったのは二年目からでしたっけ?
 
上田:そうですね。私は2年目からチームに加わりました。自治体の担当者さんにtakibi connectの概要やCCSの思いをお伝えして、一緒に取材先を決めたり、できあがった記事のアップ業務をしています。それに加えて、ふるさと納税の寄付額増額に向けた取り組みにもたずさわっています。
お話するのが好きなので、takibi connect を通して自治体の担当者さんと会話が弾むとうれしいですね。

ーー伊勢さんは2022年の秋ぐらいに入ってすぐ、一緒に取材に行きましたよね。
 
伊勢:はい、すごく良い経験だったなと思ってて。2022年の秋に入社してすぐに、石狩市の植村水産の取材に同行したんですよね。インタビューを聴きながら、「この人が魅力的な理由って、その人自身や周りの人との関わりから滲み出てくるものなんだ」と感じて。自治体も関わりながら、地元の事業者さんの思いを汲み取って表現できる場があるのは、すごくいいなって思います。
 
「地域と関わる仕事をしたいな」という気持ちがあったので、縁があってtakibi connectに携わっているのは、すごくうれしいです。記事を掲載する作業やSNSの運営、寄付額増額に向けた取り組みなど、楽しみながら仕事をしてます。

ーー浅利さんはtakibi connectの立ち上げ時期を知る数少ないメンバーの1人ですよね。
 
浅利:私はまだ「takibi connect」という名前もない時期に、プロジェクトに声をかけていただきました。最初は、「どんなものが出来上がるのか?」イメージできてなかったので、CCSの中村さんたちが描くものに“乗っかっていく”という感覚が強かったですね。
 
実際にプロジェクトが動き出して、ライターさんが取材する現場にはじめて立ち会った時は、「この会話が記事なるんだ」って心が躍りました。メディアが立ち上がってからは、記事のアップやDMを送ったり、ふるさと納税返礼品の登録業務などを担っていました。
 
ーー「取材に同行して心が躍る感じがした」というのは、どんなところに?
 
浅利:取材中に「人と人との心の会話」みたいになる時ってあるじゃないですか? その感覚がすごくいいなって思ったんですよね。実際やってみたらすごい苦戦してますけど。笑
 
以前の仕事先だったブラジル※から札幌に戻ってきた時に、「改めて北海道を知りたい」という思いがあったんです。takibi connectの趣旨に共感した部分もありますし、自分の中で何か一つ「これだ」というものが欲しかったというのもありました。
 
年度が変わるタイミングで、CCSを離れようと思ったんですが「ライターをやってみない?」という提案をいただいて、2年目からはライターとしてプロジェクトに関わってきました。
 
※浅利さんはCCSに入る前にブラジルでお仕事をされていました。

2021年3月三笠市EKARAでの取材に同行した浅利さん(写真左奥)と上田さん(写真右)
2021年3月三笠市EKARAでの取材に同行した浅利さん(写真左奥)と上田さん(写真右)

“挑戦”に触れることで起きた個々の変化

ーー浅利さんは「実際にライターをやってみたら苦戦してます」ということですが、同行した時と自分が取材した時で、なにか違いを感じる部分はありました?
 
浅利:心構えから違いました。取材までの準備も違ったし。
 
はじめての取材はめちゃくちゃ緊張しました。質問項目とかも準備してましたけど、後から「余計な話が多かったかな」「もっとこういうことを聞いておけば良かった」「こういう聴き方すればよかった」って。同行者だったら、振り返ることもなかったと思うんですよね。
 
宝水ワイナリーさんの取材では、「守ることも挑戦なんだ」とか、「そもそも挑戦てなんだっけ?」と考えさせられたし、簡単じゃないなって。最初の年は、構成を考えるところも苦戦しましたし。約1時間のインタビューを書き起こして、挑戦ストーリーとして書き上げるのは、経験のない私にとっては想像以上に頭と時間を使うことでした。
 
それでも、取材して記事にするまでの一連の流れが、これまで出会った仕事の中で一番心が躍ったなって。
 
二年目からは、インタビュー中に心に残った言葉を「ちゃんと記事の中で輝かせられてるだろうか?」と考えたり。取材で心が響いたエピソードを読者にも同じ熱量で感じてもらえるように・・というのは意識したし、もっと磨けるなと思いましたね。

2022年岩見沢・宝水ワイナリーでの取材
2022年岩見沢・宝水ワイナリーでの取材

ーー上田さん、伊勢さんはtakibi connectに関わるようになって、何か変化や感じていることはありますか?
 
上田:takibi connectを通して事業者さんの思いや、歩んできた道のりを聞くと、「あ、だからこういう返礼品ができるんだ」とか、 改めて「うわ、すごいな」っていうのは感じてます。
 
普段買い物する時も、事業者さんや生産者さんのことを気にするようになりました。思いの詰まった返礼品がたくさんあるので、できるだけ調べるようになりましたね。
 
自治体の担当者さんからも、一緒に取材に行ったり記事を読んだりして、いい意味で「事業者さんへの見る目が変わった」っていう声をいただいてます。三笠高校の記事では、三笠高校出身の友人から「ありがとう」という感謝の言葉をもらってうれしかったですね。返礼品に込められた思いを知ったり、周りからポジティブな反応をもらえたり、takibi connectのメンバーで良かったなと。

伊勢:ふるさと納税って「地域に還元したい」「盛り上げたい」みたいな気持ちから、スタートしてると思うんですよね。寄付者さんが届いた返礼品に対して、「こういう思いがあったんだ」とか「こういう人がやってるんだ」と知れるのは、すごく意義を感じるというか。「ただ“もの”だけを届けてるんじゃない」っていうのを伝えられるのはいいなって思いますね。
 
私は前職で、事業者側としてふるさと納税に関わってたことがあるんです。なので、時間を作ることの難しさや、返礼品のバリエーションを増やしたくても物理的に難しい部分も気持ちがわかるというか。
 
既存の事業を維持しながら、プラスふるさと納税にどこまで割けるか?は、事業者さんの状況によって違うはず。そうした中で、takibi connectって緩衝材的な存在になれると思ってて。「あなたの思いも伝えたい」って自治体も思ってますよって間接的に伝えられるというか。自治体と事業者さんとの間に、私たちが入って、うまくすり合わせしていけたらなと思いますね。

これからも焚き火の輪を広げていきたい

それぞれに思いをもってプロジェクトに携わっている3人。最後に、2022年度で卒業する浅利さんにはtakibi connect への思い、上田さんと伊勢さんには今後についてうかがいました。
 
ーー浅利さんはチームを卒業しますが、あらためてtakibi connectはどんな存在?
 
浅利:多分10年後20年後、もうちょっと成長した時に感謝してる場所だと思います。「takibi connectがあったから」って。そう言える自分になっていたいです。
 
ストーリーを描くことの難しさもわからないままスタートして、経験を積んだのはすごくスペシャルなこと。言葉への向き合い方、いろんなものの見方が変わりました。映画や本、何気ない会話も。センサーが増えた感じ。
 
自分の心に響いたものから着想を得たり、いいなと感じた誰かの言葉を、「相手の心に届けるには・・?」と、考える回路を自然と作ろうとするようになったのかな。そんな気がします。

ーー浅利さんは今吸収してるものがいつか繋がって、ふわって開く時がくるんだろうなって。
 
浅利:「楽しみだね」ってよく言われるんです。きっと、何かひとつのものに向かって進んだ方が早いと思うし、真っ直ぐにゴールに向かえるってすごくうらやましいんですけど、私はあまり明確なゴールがなくて。
 
「何者であるか」っていう定義づけは必要ないかもしれないけど「何か」にはなりたい。その間で好奇心の行方探しをしてる感じです。その点がいつ繋がるか?すごく果てしない旅だなって思ってます。

ーー上田さん、伊勢さんは、今後構想していることや実現していきたいことはありますか?
 
上田:takibi connectを通して、自治体や事業者さんの思いが届くといいなと思ってます。寄付を増やすことはもちろん大事なんですけど、そこにちゃんと思いを乗せて大切に届けていきたいですね。
 
2023年からは、事業者さんのところに直接うかがってお話をするという動きを、恵庭市からはじめました。
 
電話とかメールとかだと、なかなかお互いの思いがうまく伝わらない部分があって。直接会うと困りごとも話しやすかったり、新規返礼品の提案もどんどんアイディアが出てきて。リアルの大切さを感じたので、他の自治体でも展開して行きたいですね。

伊勢:私は、記事を通して返礼品だけでなく「地域」にも愛着を持ってくれる人が増えたらうれしいですね。記事を読むことで、地域自体に興味を持ってくれる人もいると思うんですよね。そういう人が増えて、寄付という行動に繋がって、自治体や事業者さんに還元できるようになったらいいなと。
 
取材のやり取りも、事業者さんはすごく「時間」をかけてくれてると思うんですよね。忙しい中で日程調整や記事の確認をしてくれたり、取材の1日を空けてくれたり。だからこそ、 良い循環をつくって応えられるようになればいいなと思います。

上田:これまでは記事やDMで、寄付者の方にtakibi connectをお届けしてきましたが、今後は、楽天ふるさと納税でtakibi connectページを作ったり、冊子展開など、今までとは違う方法で寄付者の方に挑戦ストーリーをお届けすることも考えていきたいなと思ってます。
 
自治体の担当者さんも「takibi connectをもっと多くの人に読んでほしい」という思いを持ってくださってて、アイディアを出してくれるんですよね。
 
takibi connectを立ち上げた中村さん、伊藤さんと思いは一緒だと思ってるので、2人の思いを引き継いで、少しずつ色々なアイディアを形にしていきたいです。