Takibi connect猿払村

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猿払村

誰もが輝く村、猿払へ。地元愛を胸に挑み続ける地方公務員マーケター

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誰もが輝く村、猿払へ。地元愛を胸に挑み続ける地方公務員マーケター

猿払村プロジェクト

文:三川璃子 写真:原田啓介

ホタテ漁が盛んに行われる海と、酪農地の緑に囲まれた最北の村、猿払。ここには現在2,675人の村民が住んでいます。

「誰もが輝ける場所がある」

村民が輝く場所を守り、広げるため、猿払村役場は旗を上げ続けています。

この村で生まれ育ち、大好きな村のために挑戦を続ける一人の職員がいます。企画政策課の新家拓朗さん。猿払への愛と、活動に込められた想いを伺います。

沸き上がる「なぜ?」を形に

猿払村役場に入って約24年。新家さんは自分の中に湧いてくる「なぜ?」を少しずつ形にしてきました。人は本能的に変化を嫌う生き物だと言われています。「当たり前」を疑い、新たな一歩を踏み出せるのはなぜだったのでしょうか?新家さんの役場でのあゆみから紐解いていきましょう。

ーー役場に就職したきっかけは何ですか?

新家
:役場に就職したのは、高校時代野球部の先輩に公務員志望者が多くて、身近な選択肢だったから、というのがひとつ。それと漁協関係の仕事をする父と母が、土日も休まずに働く姿を見て、いつも大変そうだなと思ってました。土日休みの役場に惹かれた、というのもひとつですね。

最初は猿払をもっと多くの人にPRしたいとか、特段強い想いはなかったかな。公務員としての自覚も足りなかったかも。猿払で育ってお世話になった分、村に恩返ししたいという気持ちはもっていましたが。

仕事に対する姿勢が変わったのは、広報を担当してからですね。最初は「広報さるふつ」の写真を撮りに行く手伝いとかだったんですが。3年後、メインで広報業務を担当することになって。仕事の面白さに目覚めて、周りから「やりすぎ」と言われるほど、熱中してましたね。笑

ーー広報では具体的にどんなことに取り組んだのですか?

新家
:まず、はじめに手をつけたのは「広報さるふつ」の発行回数を見直したことです。当時、「広報さるふつ」は年6回の発行でした。でも他の自治体の話をきくと、年12回、毎月発行しているところが多くて。「なぜうちの村は6回なのだろう?」と疑問を抱きました。周りに聞いても理由は特にありません。広報を発行する意味を考えた時、毎月役場で取り組んでいる活動や、村の情報をもっとスピーディーに、正確に伝えるべきだと思ったんです。

ーー年6回から12回、倍の発行になるとかなり大変そうですね。

新家
:発行を増やすとなると、単純に費用も倍になります。提案も簡単には通りません。そこで1番費用がかかっていた、外部へのデザイン発注を見直しました。新たに編集システムを導入し、自分たちでデザインを行うことで、経費を抑え、年12回の発行に踏み切ることができたのです。

初めて、自分の「なぜ」が形になることを体験したんですよね。自分が考え抜いて提案することって無駄じゃないなと。自分の考え一つで、村民や村全体に良い影響を与えられるかもしれないと思ったんです。

この出来事をきっかけに、どの部署にいても自分の中の「なぜ」という疑問を大事にしています。

ーー「なぜ」という想いはどこから来ているのでしょうか?

新家
:子どもの頃から、言われたことをそのままやるのが好きじゃなかったからかも。何にも疑問を抱かず、ただ言われた通りにするのって、自分が存在する意味が感じられないというか。あと「もの」に対するこだわりも、昔から強いと思います。

ーーものに対してのこだわりは、なぜでしょう?

新家
:父と母の影響はあると思います。ものは長く使い、大事にするという教育を受けてきました。「今必要なものなのか」「長続きするものなのか」など割と追求して考えたりします。

広報さるふつ (画像提供:猿払村役場)
広報さるふつ (画像提供:猿払村役場)

猿払が大好きだから、もっと伝えたい

広報さるふつの発行から、「なぜ」を形にすることの大切さを感じた新家さん。村のことをより多くの人に届けたいと、個人でもSNSでコツコツと発信を続け、今では多くの人にフォローされるようになりました。
一方で「自分のことを表立って話すのはあまり得意じゃない」と言います。ここからは、新家さんと関わりが深いtakibi connect事務局の中村も交えながら、新家さんの想いを深掘りしていきます。

ーー新家さんはどんな人ですか?

中村
:新家さんと初めてお会いしたのは、3年前。ふるさと納税の業務委託について相談をいただいた時ですね。新家さんは、「ふるさと納税制度を村のためにどのように活用すべきか」確固たるイメージを持っていて。いつも猿払村に対する愛を感じます。

村の特産品に対しても非常に誇りをもっていますよね。「特産品を通じて自分の好きな村を知ってもらいたい」「そのためにふるさと納税を活用したい」というアツい想いがビシビシ伝わってきます。

ーーふるさと納税で意識して取り組まれたことはありますか?

新家
:全国1,700を超える自治体の中から、猿払村に寄附(ふるさと納税)を寄せていただくことは簡単なことではありません。さまざまなご縁が生んだ奇跡。だからこそ、せっかくの出会いを一度のお付き合いで終わらせるのではなく、次なる関係性につなげることを意識しています。

ふるさと納税のリピートも然り、旅行先であったり、猿払村に関連するSNSのフォローであったり。ご縁をつないでいきたいと考えています。

そのためには、我々職員の対応力や返礼品の充実、お寄せいただいた寄附の活用方法など、あらゆることの充実を図ること、洗練させていくことが大切と考えています。

「ふるさと納税がきっかけで生まれた縁。深まった縁を、大切に次へとつなげていくためには」という意識で日々取り組んでいます。

挑戦は猿払への誇りを守るため

ホタテの乱獲から漁業が衰退、そこから資源管理型の漁業に挑戦し、どん底から復活した歴史をもつ猿払村。挑戦の大切さを知るからこそ、猿払村は現状に胡座をかくことなく新たな一歩を踏み出し続けています。

猿払村 ほたて化石群
猿払村 ほたて化石群

新家:猿払村の魅力は、住まないとわからないことが多いと思います。こんなに空気が綺麗でいいところないのに、みんな来ないのもったいないなぁって。

中村:猿払村は全国的にも知名度は最近高まっているけど、ホタテ復活の歴史など背景はあまり知られていないですよね。どん底からの復活。挑戦して成功した歴史がまだまだ身近にある村なので。挑戦のイメージをしながら、新たなものを生み出す力のある自治体だなと思います。

新家:一方で漁業と酪農でうまく行き始めたので、そこに注力すれば良いという考え方もあります。現に新しく始めたビニールハウスを活用した農業も、立ち上げには時間がかかりました。

ーー新たに農業を始めた背景には何があったのでしょうか?

新家
:雇用の創出や企業誘致が目的です。平成26年から本格的に移住者誘致に力を入れ、移住体験施設の建設や移住体験ツアーなど、多岐に渡る企画を行いました。一方で、雇用や収入の壁などもあって、大きく増加するところまではいってません。

そこで目をつけたのが新規産業の創出です。移住先に望む雇用や収入がなければ、定住することは難しい。移住者を増やすには、雇用を増やす=産業をつくることが必要だと考えました。

ーー産業を作るというのは、大きな挑戦ですよね。挑戦する怖さは感じませんか?

新家
:産業を作るって、何年、何十年とかかるものもあるので、結果が予想しづらくて怖さを感じるのも正直なところです。ただ、自分の企画したプロジェクトがどの様な方向に進むのか。将来の猿払村の力となっているか、今は怖さよりもそういう明るく、前向きな気持ちで仕事に取り組めています。

ーー新家さんにとって挑戦とは何でしょう?

新家
:うーん。挑戦とは・・「自分が存在する意味」だと思います。現状維持ではなく、村の発展や、村民のくらしの向上のために。任せられた仕事で挑戦し続けることが役場職員に求められていると考えています。

チーム猿払。一人一人が輝く場所に

野球に没頭していた学生時代、監督が新家さんに「人はそれぞれ輝く場所がある」と教えてくれたと言います。内野手から外野手に転換した経験から、身を持って感じたと語ってくれました。今もなおその想いを胸に、猿払村をチームとして捉え、役場と村民それぞれの輝く場所を探しながら歩み続けています。新家さんが挑戦を続ける先に見据える未来とは、どんなものでしょう。

猿払村道エサヌカ線
猿払村道エサヌカ線

ーー新家さんは猿払村の未来をどのように描いていきたいですか?

新家
:あらゆる世代の人々が笑顔で暮らす猿払村を描いています。そのためには子どもたちの力が不可欠で、子どもたちの可能性をどう広げていくかが村の使命ともいえます。最近は年間に30人前後の子どもが生まれていますが、これを維持、もしくは増やすことができるならば、それは村の活力に直結します。

子どもの人数を意識することで、自然と人口のことも考えるようになり、昨年始動した新規産業の創出という取り組みにつながってきています。

僕は学生時代、野球部で「真剣に取り組むこと」や「個人の役割の重要性」を学びました。それが今の仕事にも活きています。

自分自身の経験や子育てをしてきた中で、子どもたちの経験や選択肢を増やすことは、子どもたちの未来を拓くことに大きく影響すると考えています。なので、とにかくたくさんの経験を積んでもらえる環境を作っていきたいですね。

もし将来的に猿払村を離れることになっても、猿払村のことを誇りに感じたり、周囲の方にPRしたり、ふるさと納税を寄せていただくなど。ふとした時に思い出してもらえる存在になりたいと考えています。

ーーまだまだ挑戦が続きそうですね。

新家
:今は個人のSNSで発信活動をしていますが、1人では限界があるんですよね。1人で100人にアプローチできるとすると、10人いれば1,000人に届けられる。とにかく当事者を増やすのが大事。仲間を増やし、猿払の良さを一緒に発信してくれるチームをつくるイメージでSARUFUTSU-LABOというサイトも立ち上げました。

「早く行きたければ一人で進め。遠くまで行きたければ、みんなで進め」という、アフリカのことわざがありますが、まさにそう。猿払村を自分ごととして捉え、ともに歩む仲間を増やし、未来に向けて挑戦の輪を広げていきたいですね。

「どんな場所でも、いいものを起こす気持ちが大事」と語る新家さん。猿払を長く離れたのは最長でも2週間で、41年間ずっと猿払村在住だそうです。

村民はもちろん、猿払村に興味を持ってくれる人をも大事に想いながら、新家さんは挑戦をつづけています。「お気に入りの場所なんです」と案内してくれた、ホタテの貝殻が敷き詰められた秘密の白い道。そこは太陽の光が貝殻に反射して、眩しく輝いて映っていました。猿払の未来もきっと、この道のように応援の輪と希望の光が広がっていくのではないでしょうか。

猿払村ふるさと納税特設サイトのご案内

手付かずの自然があふれる日本最北の村・猿払村。
猿払村へ興味を持ってくれた方へ「ありがとう」の気持ちを込めて、ふるさと納税や猿払の魅力をお届けする「猿払村ふるさと納税特設サイト」をオープンしました。
大切な寄附金の使い道や、村のことをもっと知ってもらうための動画。
村が誇る最高級のホタテをはじめ、雄大な自然の中で育まれた生乳を使ったバターやアイスクリームなどの乳製品、猿払産イチゴを使ったロールケーキなどの返礼品もご紹介しています。
特設サイト内での寄附申請も可能です。ぜひ併せてご覧ください。

【猿払村 新家拓朗のプロフィール】

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